RPAで楽々処理!営業への契約書発行業務効率化
企業における花形といえば営業部門ですが、営業が気持ちよく仕事をするためには、営業補佐というバックオフィス部門が重要な役割を果たします。特に契約締結時には、スピーディーな対応をすることで顧客に対する印象を向上させるだけではなく、対応が遅くなることによる機会損失を防ぐことができるのです。ただし、契約本数が増えるにしたがって、バックオフィス部門の負担は大きくなってしまいます。中小企業規模以上の会社であれば、数人で数百人分もの契約書を作らなければならない月もあるでしょう。
契約書発行だけが日常業務ではない
そんな営業補佐部門の業務においても、業務効率改善を実現させることは可能です。
契約書発行業務、特に保険業などの一般顧客向けのサービスなどにおいては、件数が非常に多くなるため、担当者の負担が大きくなる傾向があります。しかし、分量が多いものの、ほとんどは条件ごとの入力などの定例的なルーチン業務となります。このような単純作業をロボット(ソフトウエア)に任せる仕組みが存在しています。
営業補佐という仕事は、契約書を作成するだけではありません。顧客からの電話対応や新規営業のための資料作り、営業成績の分析業務、そして請求書の発行業務など、非常に多岐にわたっています。営業をサポートするという重要な仕事がメインとなるため、ボリュームの大きな契約書発行業務の自動化が実現すれば、かなりの業務効率化を期待できるでしょう。
ここでは、RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)という、ロボットによる業務自動化ツールによって、契約書発行業務がどれくらい効率化できるのかについてご紹介します。
顧客ごとに中身が異なる契約書発行業務
営業補佐部門における契約書作成業務は、ルーチンとはいえ顧客ごとに契約書内容が大きく異なります。特に保険業などにおいては、等級や補償内容、特約などによって全く違う内容の契約書ができあがります。営業補佐は、営業からもらった情報を基に、一つひとつ確認をしながら情報を入力し契約書を作成していきます。一つの契約書を作成するだけであれば、あまり負担は大きくなりませんが、数百件の契約書ともなるとかなりの負担となります。
契約書を間違えてしまうと、自社だけではなく顧客に不利益を与えてしまう恐れがあります。そのようなことは起こってはならないため、契約書ごとにじっくりと精査する必要があるのです。もちろん一人のチェックではなく、ダブルチェック、トリプルチェックになることも少なくないでしょう。
多くの企業では次のような流れで、契約書発行業務が行われています。
- 営業からの依頼内容に沿って営業補佐が契約書を作成
- 作成担当者が内容を精査
- 上長が精査し承認、または差し戻し
- 営業担当者が再度内容について精査
- 顧客に確認をしてもらい契約成立
このように、どうしてもマンパワーに依存した作成となりますので、ミスを起こさないように確認項目が非常に多くなってしまいます。毎月数百件にも上ることもある契約書作成では、確認するだけでも非常に多くの時間がとられてしまうのです。
業務効率としては、非常に悪いと言わざるを得ないでしょう。
RPAで契約書発行業務を効率化させよう
RPAを導入することで、契約書発行業務を自動化させて、大きく時間削減をすることができます。
契約書発行に関するルールは、企業によって細かく異なります。そのため、導入時にどのような作業を行わせるのかを覚えさせる必要があります。しかし、一度覚えさせれば、あとはロボットが自分で判断してくれるため、一連の作業のかなりの部分を任せることができるでしょう。
例えば、契約書発行業務において、RPAを導入すると次のような手順で作業が進められます。
- 営業担当者が契約内容のテンプレートを作成
- RPAがテンプレートを読み込み自動で契約書作成
- 営業補佐が内容を確認して営業担当に渡す
- 顧客に確認をしてもらい契約成立
一連の作業をロボットに覚えさせることにより、人が行う作業は、契約内容のテンプレート作成と、作成された契約書の確認だけとなります。毎日一つの契約ごとに多くの入力項目を要していた作業を一気に削減することになります。
自動でデータベースに取り込んで契約書を作成するため、疲労などで生じるヒューマンエラーを排除することも可能です。
ある企業においては、契約書発行業務を自動化することにより、1か月で48時間もの時間をかけていた仕事をわずか30分にまで短縮させることができました。空いた時間で、さらなる経営戦略を練ることができるため、業務効率化や売上向上も期待できるでしょう。
まとめ
営業部門の補佐的役割となる営業補佐部門は、契約書発行などのルーチン業務に追われる毎日です。本来であれば、営業をサポートできるようなテクニカルな仕事をするべきなのに、それができないケースも少なくありません。特に中小規模の企業であれば、バックオフィス部門に人を割くことができないため、少人数で業務を回しているところも多いでしょう。
今回ご紹介したようなRPAツールを導入すれば、契約書発行の入力業務をロボットに任せることができるので、営業補佐担当の負担をかなり抑えることができるでしょう。また、空いた時間で、営業戦略策定を含むその他の業務に従事できるようになるため、業務効率を大きく向上させることにつながります。